(スポーツ報知、2012年1月1日)
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私は昨年、個人的にも被災地ボランティア隊の一員として
石巻に2度行き現地の復興のお手伝いをしてきた。
そのこともあり、紅白で長渕剛が石巻の小学校の校庭で
歌った歌を聞いた時には胸を熱くした。
歌に特別な強い思いが込められているのが伝わってきて、
何気なく見ていたテレビの前で自然と涙が出てきた。
あの歌をもう一度聴きたいと思っていた。
すると、今日Youtubeに昨日の紅白の長渕の「ひとつ」がアップされていた。
歌った場所は、津波が押し寄せた海岸近くにある、
石巻市立門脇(かどのわき)小学校のグラウンドだったそうだ。
気温は氷点下1度の凍えるような寒さだったという。
私も先月終わりに石巻の大川小学校に慰霊に行ったが
その寒さは尋常ではなかった。まさに凍える寒さだった。
そして、彼を囲んだ照明は108つあったそうだ。
鎮魂の意味が込められていたのだろう。
そんな中で1万5000人に上る犠牲者への思いを込めて、
魂を絞り出すように歌う彼の姿は印象的で、
それは歌というより祈りの叫びのように聞こえた。