2011年07月13日

ハードボイルド小説

この本を読み飽きない理由としては、まずだいいちに文章のうまさがあげられるだろう。チャンドラー独特の闊達な文体は、この『ロング・グッドバイ』において間違いなく最高点をマークしている。最初にこの小説を読んだとき、その文体の「普通でなさ」に僕はまさに仰天してしまった。こんなのありなのか、と。
(ロング・グッドバイ、レイモンド・チャンドラー、村上春樹訳、ハヤカワ文庫、596ページ)
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本屋によって本を見ていたら、
チャンドラーの名作『長いお別れ』が
村上春樹の新訳で『ロング・グッドバイ』となって平積みされていた。

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11) [文庫] / レイモンド・チャンドラー (著); 村上 春樹 (翻訳); 早川書房 (刊)

村上春樹、チャンドラー、ハードボイルド。

この3つの単語が頭の中に並んだ途端に、
文庫本なのに1,100円もする『ロング・グッドバイ』を
私は思わず買ってしまった。

大学生の時に、ハードボイルド小説に触れて以来
その小説が作り出す世界観がとても好きになった。

どうしてそんなにハードボイルドが好きなのか。
改めて、ハードボイルドとは何だろうと考えた。

ハードボイルド(hardboiled)とは、
感傷や恐怖などの感情に流されない、
冷酷非情、精神的肉体的に強靭、妥協しないなどの
人間の性格を表す言葉である。
(ウィキペディア)

うーん、どうもピンとこない。

ハードボイルド小説に登場する主人公は、
強いこだわりを持って自分の意思を貫く。

心も体も傷つき、たとえ命が失われそうになっても、
それを曲げようとはしない。

社会や組織という巨大な力に対しても、
長いものには巻かれようとはせず、
自分の信念を通すために冷酷非情に立ち向かっていく。
・・・それが全く勝ち目のない闘いであったとしてもだ。

彼は、自分の愛する女とか、友達とか、社会的弱者とか、
昔ほんの一度だけ自分に希望を与えてくれた知人のために
最大限の自己犠牲をはらって、一見無駄な闘いを挑む。

ある意味、独りよがりであるが、
誰か特定の人間への愛や思いやりがそこにはある。

見返りは求めない。命すら捨てていいと思っている。
そして、誰にも知られなくてもいいと思っている。

そんな主人公が小説の中で発する言葉が
何度読んでも胸にしみわたる。


そして、この『ロング・グッドバイ』。
村上春樹をして、文章のうまさはチャンドラーの作品において
間違いなく最高点と言わしめている。

この夏、チャンドラーの名文を
村上春樹の訳で、改めてじっくり楽しもうと思う。

posted by デデボー at 01:12| 東京 ☀| Comment(1) | 家庭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
デデボーさん、お久し振りにお訪ねしました。

 私もチャンドラーを読んでみたくなりました。

 
Posted by ハッピーいちろ at 2011年09月02日 09:02
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